3.ニチニチソウ
観賞用植物発の抗ガン剤
ニチニチソウCatharanthus roseus(Vinca rosea)は、キョウチクトウ科の植物で、マダガスカル島原産の植物と言われており、現在では熱帯各地に広く野生化しています。
日本では初夏から晩秋まで花期が長く、花が綺麗なことから観賞植物として花壇などに植えられ、よく知られている植物です。
ニチニチソウは民間療法として糖尿病に使われていました。しかし、糖尿病薬として開発されていましたが、血糖値を効果的に下げるものの、毒性が強いことから開発が断念されました。
その後、ラットで骨髄が強く抑制され、白血球や血小板が減少してそのため細菌感染に対して抵抗力が無くなり死んでしまう事が分かりました。
また試験管での実験で、各種の癌細胞を殺すことが確認され、急きょ抗癌剤の開発に切り替えられて有効成分の探索が行われました。
その結果、1958年にビンブラスチン(vinblastine: VBL)、1961年にビンクリスチン(vincristin: VCR)という2種類の抗癌成分が単離されました。
現在では、70種類ものアルカロイド成分が単離されているそうです。
これらの成分の構造が複雑で化学合成がままなりません。
そこでニチニチソウから抽出分離するわけですが、含有量が非常に少なく高価な医薬品になっています。
ニチニチソウ
ここで一区切り
(ビンクリスチン硫酸塩)